三人は結界から放たれ、事態が掴めないまま呆然とする。
「何だ……何で急に我々の結界が解けたのだ?」
「ヤツらが去った方に行ってみるニャ!」
爆風で傷は痛むが、足を引きずりながらも敵が去った方向へ向かった。
こうして数分もしない内にたどり着いたのが、抉られた地面と倒れる巨木。
オッサンは、その巨木の下敷きになる宇賀神を発見した。
「礼子君! 眠り猫君! 来たまえ! あの人間だ!」
2人は近寄り見ると、涙を流したまま息絶える宇賀神を見た。
既に……死んでいる。
「何て事だ……黒ガラスめ。とうとう人間を手に掛けてしまったか」
状況を見れば分かる。
宝はなく、死体となる宇賀神。
どう考えても、黒ガラスの裏切りだ。
「……コイツもコイツでバカな男だ。こうなる事は分かっていた……霊に関わるからこーゆー事になるんだ」
死と生。
相容れない正反対のこの関係性。
コンビと言っても、うまく行くハズがないのは分かっていた事。
だからこの世には、人間と霊のコンビは生まれない。
霊は人間を脅かし、人間は霊を怖がる存在であるのが、ごく自然な形であるのだ



