「そんな……」
今まで仲良くやってきたツレからの、突然の告白。
頭の中で整理するのも、気持ちが高ぶって真っ白になってしまう。
「お前に手伝わせたのは、埋蔵金だけは人間の手でないと掘り出せないし、徳川の魂で真・虎砲を得るために眠り猫が邪魔であった。財宝は消した。これで残りはヤツの眠る墓を葬るだけだ」
東照宮!?
黒ガラスはこの能力で、徳川に関わった全ての物を消すつもりだ。
「裏切ったのか? ……嘘だと言ってくれよ相棒。今まであんなに仲良くやってきたじゃないか」
それを聞くと、黒ガラスは冷たい目線を送る。
「裏切った? 元々仲間だと思っちゃいない。俺が一度でも相棒とお前を呼んだか? 霊を侮るなよ人間。お前には感謝してるが、そろそろ別れの時間だ……」
ギギギ……
隣で何か音がする……
と思っていると、宇賀神目掛けて巨木が倒れてきた。
真虎砲で木の根を抉り、金縛りで倒れる木を押さえていた黒ガラスは、それを容赦なく解いた。
「ふへへ……」
ドシ―――――ン!!
涙目で苦笑いを浮かべながら、宇賀神はその木の下敷きになった……



