「ど、どう言う事なんだ相棒? アンタ宝はいらないんじゃないのか」
すると、黒ガラスは無知な宇賀神に説明を始めた。
「確かに財産はいらないと言った。私の言う意味は少し違うがね。この世から関していらないと言ったのだ。だから消したのだよ、この真・虎砲で」
「真……虎砲?」
「私の特殊能力は姿を消す能力……徳川の能力は動きを止める虎のシャドウ……この二つを組み合わせる時、私の技は無敵となる。真・虎砲は触れた物全てを、この世から消し去るのだ!」
真・虎砲により、宝を全て消し飛ばした黒ガラス。
先程の礼子達の戦いの時も、これを見せて宇賀神に少しでも悟られない為に、通常の虎砲しか使っていなかった。
「……何故こんな事を……?」
「フッ……お前には教えてやろう。私の400年の怨念を。私は元々ヤツと同じ時代を生きていた。しかし、ヤツの手で命や家族を失い、霊になってさまよい続けた……」
黒ガラスは昔を懐かしむように、夜空を見上げながら思い出す。
「だから、霊になってもいつか復讐してやりたいと思った。ヤツの痕跡。ヤツの遺産。ヤツの功績。その全てを消すのが、私の目的だ」
黒ガラスは目に映る徳川家康の関係あるものは、全て消すためにこれまで霊として存在し続けていた。
今日この日の為に



