箱が消えたと言うより、そこの空間が何かにくり抜かれた感じだ。
箱の下の地面の一部も、綺麗に受け皿型に消滅している。
「な……な……」
宇賀神が驚き後方を見ると、そこには黒ガラスが青稲妻を帯びた手を突き出していた。
「ご苦労だったな……」
意味が分からず、宇賀神は聞いてみた。
「え……相棒。これアンタの仕業か? 宝はどこに消えた? なあ? 今の技は……」
こんな霊の能力見た事ない。
状況を把握出来ていない宇賀神に対し、黒ガラスは笑みを浮かべた。
「ククク……ようやくだ。ヤツの財産を消し飛ばしてやった。ハーハッハッハ!」
初めて見せる、黒ガラスの剥き出しにした感情。
意味が分からず、宇賀神はただ眺めているだけだ



