霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


まず最初にいきり立ったのは眠り猫。











「とうとう追い詰めたニャ! さあ、家康様の魂を返すニャ!」











そう言われて、素直に返す悪党などいない。









もちろん返事はNO~だ。











「徳川の魂はどうでもいいにしろ、この財宝だけは渡すワケにはいかないな。これは全て俺の物だ」












宝物を取られないようにと、宇賀神はさっそく武器を構える。









それを見てオッサンは礼子に耳打ちをした。











「君……札が効かないからって油断するんじゃないよ。黒ガラスは弱いからいいにしろ、宇賀神双って人間は何が飛び出すか分からない」









本来ならば、霊と人間が戦うなどまず有り得ない出来事。











たまに除霊と言って数珠を振り回す坊主がいるが、あれは9割が霊力のない偽物坊主。










親の跡継ぎでただなっただけの、言い換えればただのハゲ。







なまけハゲ。

言い換えればナマハゲか。







秋田のナマハゲも、ここからきてるのだろうか?









余計な事を考えたが、とにかく偽物坊主とは違う。





宇賀神は前にも札や結界の力を見せてもらった通り、そんじょそこらのエセ霊力者とは違うので、注意しなければいけない上、人間な為にこちらは強く手出しは出来ない。











軽くぶっ飛ばすくらいはいいが、霊の掟で人を殺めてはいけないと言う決まりがあるからだ。
(破った者は霊界追放)











どう戦うか悩んでると、礼子は指をさした。












「あれが双君なんだ。へ~~そうなんだ」












「前にも言った系統のギャグを思い付かなくていいから」