声が出ない。
礼子君……
この勝負受けるんじゃない。
すると、その願いが通じたか、礼子はこちらを振り向いた。
おお、珍しく気付いたか?
オッサンは目だけを何とかパチパチとウインクでアイコタクトをすると、礼子はコクリと頷いた。
これは、もしや本当に通じたか?
すると、その後礼子は口パクしてみせた。
ん……? ん……?
あれは……
≪ゴー・エル・ディー・ケー≫
……
やっぱコイツ分かってねー。
頭の中は、すっかり倒した事による報酬の5LDKしか考えていない。
そのまま、何も知らず赤鬼との早打ち溜め勝負が始まってしまった



