霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


いや、この状況であれば助けられないのも納得だ。









それは、遥か上の力を持つ女王が太刀打ち出来ない相手に、自分達が挑んでも意味がないと言う事。










それに顔は地獄の鬼のような形相の礼子でも、不思議と女王が殺されるような危機感は感じなかったからである。









無論、自分の娘に殺意を向ける親はいない。









そんな躾の一環を漂わせる雰囲気が、使者霊の安心感に繋がったからだ。










「ふう……このくらいにしとくかな」










お尻がリンゴの様に真っ赤に腫れ上がった里子は、お仕置きからようやく解放された。








てか、叩き過ぎ。










「いたた……あ、アナタは一体何者ですか? 階級10の私をいとも簡単に抑えつけるなんて……」









涙目ながらも、礼子の正体を聞いてきた。










一応隠しておこうか?


そう思い、女王に対して背中を向けた。











「ふ。大きくなったわね里子。これからもこの世界を頼んだわよ。下になめられないように立派にやりなさい」










いやいやいや。


思いっきりシバいといて、そのセリフはないわ。










そのまま去ろうとすると、女王は引き止めた。










「ま、まさか……お母さん!?」










それを言っても、礼子は振り返らず軽く手を上げた。









ルー♪ルルルル~~~♪








その哀愁漂わせる背中を見せ付け、夕日(ないけど)に向かって歩いて行った。










完全に、何か役に入っている礼子であった……