霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


おぞましい霊力。









ここに立っているだけでも分かる。











純粋な“力”のみの能力で言えば、今まで出会った敵の中で一番強大だと感じさせられる。











こんな能力を隠していたとは、流石三鬼神のリーダーと呼ばれるだけはある。











礼子はそれでも臆さずに、一瞬の間合いで張り手を浴びせようとする。











しかし……










パシッ!











その手を、見極められて掴まれてしまった。











掴まれた状態で、赤鬼は礼子をジッと見る。










何だと思っていると、そこから攻撃するわけでもなく、礼子を押し返すように強く払い出された。










ある程度の距離を保つと、赤鬼は声を漏らした。












「何だお前は? この俺様の体に触ろうとするクズが。言葉は分かるか? 何か言ってみろって、ええオイ」











初めて礼子を見るように話す赤鬼。


声のトーンも性格も、まるっきり違う。











どうやら先程の赤鬼の言った事は本当で、こう言う意味での自分の意識を失うと言う話らしい。











第2人格……


それが暴走によって出現した