黄鬼のお陰で、まるっきりダメージを追っていない赤鬼は余裕の言葉を吐く。
「ああん? お前如きに何ができる。相手になってやるよ、どこからでもかかってこい!」
ギュン!
礼子は一瞬の内に敵に積めよると、流石にその素早さに赤鬼はギョッとする。
パン!
礼子の張り手が、赤鬼の頬にHIT!
続いてどこで覚えたかムエタイ式ソバットや、衝撃波を駆使して敵を圧倒させた。
過去に闘ったお祭り霊の経験を活かしての、霊力を乗せた攻撃だ。
「グハッ! バカな、その怪我でまだこれ程動けると言うのか!」
彼の2倍になったスピードでも、遥かに凌駕する駿足を見せ付ける礼子。
怒りが彼女を強くさせているのだ。
礼子は手を振りかぶり、赤鬼に一つ一つビンタしていく。
「これは、サキが君たち不良グループに巻き込んだ分! これは、東照宮に悪いこと企んだ分! これは、黄鬼の気持ちを踏みにじった分! そして最後にこれが……」
ラスト一発に大きく振りかぶり、それを勢い良く振り下ろした。
「アタシの怒りよ~~~~~!!!!!」
綺麗に決まり、赤鬼は吹っ飛び地面に転がった。
それを見てオッサンは思う。
てか礼子君……
殴られた私の分は……?



