しかし、女王は特段止めるわけでもなく、寧ろ挨拶を促した。
「さあ……どうしたのです? 挨拶なさい」
そのふんぞり返った様に見えた対応は、礼子の怒りのキャパを軽く越えた。
こんのっ……
バカ娘が!!!!!
ズンっ!!
礼子の周りの空気が、波打つように歪みを見せた。
「な、なんだこれは!? 重い!」
その歪んだ霊力は圧力となり、使者霊は全員その場にひざまずいた。
更には女王も片足を付き、苦しそうに胸を抑えている。
「!! カハッ!! 何ですか!? この圧力は!」
すると、いつの間にか女王の後ろで礼子が鬼の形相で見下ろしていた。
「悪い子ね、里子……親に対する無礼……この罰に処する!!」
いきなり礼子は里子を脇で抱え、大きく手を振り上げた。
パーーン!
パーーン!
響く反響。
その光景を、霊圧が解除された使者霊達は見上げている。
「じょ、女王様がお尻ペンペンされている!」
「ああ、女王様お尻ペンペンだ!」
「おしペンの女王様だ!」
助けろよ



