「トドメは刺さんのか? 何なら俺がやってやろうか? 昔の仲間を手に掛けるのも嫌であろう」











残虐性の高い男だ。



それを行うが為に出てきたのだろうか?












サキは断るでも何するわけもなく、その場から森へ歩き出す。










「ずっと見ていたわけか、物好きなヤツだね……アタイは主のとこへ戻る。後は任せたよ」











赤鬼にバトンタッチしたサキは、そのまま黒ガラスの下へ行ってしまった。











昔からそうだが、忠誠心はかなり高いのは変わっていない。











オッサンは待ってくれと言わんばかりだが、敵に頼み込んでも駄目だ。











ここまでされれば、もうサキは戻らない事が分かった。











残った赤鬼。



これをどうするか、自分達で解決しなければいけない。











「さて……ククク、久々になぶり殺しさせてもらうかな。俺は“血”を好む赤鬼……楽には死なせんぞ」










ジリジリと近付いてくる。







眠り猫は起きず、礼子も倒れたまま。










オッサンしか残されていない