その後ろには、薄く笑う黒い長髪の女性……











「サキさん!?」











氷の刃を手にしたサキは、滴る礼子の血をブンと振って飛ばして剣を綺麗にした。











「……甘いよ。本当に甘い。殺し合いは最後まで気を抜かない事だね」











バラバラに吹き飛んだのに、ダメージも受けていない程肌は綺麗で無傷。










何故だとオッサンは地面に転がるバラバラになったハズのサキを見ると、それに気付いた。










散らばる破片は全て氷。









まさか……











「氷分身に騙されたようだね……アタイのやられる演技、うまかっただろう?」











……いっぱい食わされた!











先程の吹き飛んだのは、サキの作り出した氷の人形。











倒したと見せかけて後方からの奇襲攻撃に、見事ハマったと言う事だ