急いでテラ・ロードを抜けると、光を帯びた『濃い霧』が漂う広い場所に躍り出た。
時間帯にしたら夜なハズであるが、昼間のように眩く、まるで天国か何かを連想させる……
その世界はどこまでも続いてるようだが、光の霧の為確認しようがない。
(ここの世界、アタシの秘密基地にしようかな……)
そんな事を礼子は考えつつ歩いていると、いつの間にか周りは使者霊が立ち並んでいた。
その中央にそびえ立つように大きな階段があり、数十メートル上にはこちらを見下ろすかのように、誰かが玉座に座っている。
あれが……まさか……
「よくここまで来ました。ご苦労様です」
遠い距離なのに、ハッキリとその女王の声は聞こえた。
「ほええ~~?」
面談すると言っても、何をするか分からない。
すると、近くの使者霊がボソッと声をかけてきた。
「ほらっ。女王様の前だ。正座して礼をしなさい」
ええっ……!
それって、土下座を意味していないか?
流石にそれは嫌なので、取りあえず頭だけペコリと下げた。
当然これではダメらしく、更に注意をされる。
「何してる。新人霊なんだからもっと礼儀正しくするんだ。お前よりあの方はずっとこの世界を熟知してるんだ」
…………
何かヤだな……
礼子は自分の娘に助けを求めるかのように、潤んだ瞳で顔を上げた。
きっと女王の立場なら『もういいですよ』などと言ってくれると思って



