よそ見はいけません。
アホな事考えてる余裕も持たせてくれない。
見ると、先程の氷で出来た棍棒は形を変え、鋭利な剣となっていた。
どうやら氷の結晶で、形を自由自在に変えられるようだ。
まさに能力の応用。
その戦い方は、天才と呼ぶのに相応しい。
そう言えば、サキは昔から天才童心と呼ばれていた事を思い出す。
これが、本気である彼女の実力か。
「キィ~~~~! また乙女の髪を! 見てなさいよサキ! ハァ!!」
ズズズズズ。
かなり遠~~~くに見える岩肌から岩石をえぐり出すと、それを礼子は無理矢理引き寄せた。
階級9の『物を動かす能力』だが、どんだけ霊力が強いのか、それは直径50mもあろうかと言う大岩だ。
「でえ!?」
オッサンは驚きの声を上げて、慌てて森に非難する。
それを、サキの真上から目掛けて落とした



