霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


2人がどんな戦いをするかオッサンは見守るが、一部余裕な気持ちもどこかしらあった。










礼子の力は、嫌と言う程知っているハズのサキ。











霊界大大戦の時にも、玄武の亀咲が蘇らせた礼子の人形に指一本も出せなかった事や、出会った最初の頃でさえ力を認めていた事実。












それと本気で勝負しようなんて、浅はかにも程がある。











目の前に居る『アレ』は絶対無敵の馬鹿げた力の持ち主、加納礼子。












それを分かっていながら何故……










礼子はすうっと息を吸うと、そのまま大きく言霊を上げた。












「ワ――――――――――――――――――!!!!!!!!」











そこから、爆裂な衝撃波が発生し、辺りを吹き飛ばした。












なる程。

確かに森を離れなければ、一瞬でメチャクチャになる力だ。











しかし、それを予め予測して回り込んで避けるサキは、真後ろからそっと囁いた。












「その衝撃波を口から出す癖……直っていないねえ」











バギ!!












氷で作った棒で、礼子をためらわず殴り飛ばす。











その傷は致命傷ではないが、頭を強く抑えながら痛がっていた