2人がどんな戦いをするかオッサンは見守るが、一部余裕な気持ちもどこかしらあった。
礼子の力は、嫌と言う程知っているハズのサキ。
霊界大大戦の時にも、玄武の亀咲が蘇らせた礼子の人形に指一本も出せなかった事や、出会った最初の頃でさえ力を認めていた事実。
それと本気で勝負しようなんて、浅はかにも程がある。
目の前に居る『アレ』は絶対無敵の馬鹿げた力の持ち主、加納礼子。
それを分かっていながら何故……
礼子はすうっと息を吸うと、そのまま大きく言霊を上げた。
「ワ――――――――――――――――――!!!!!!!!」
そこから、爆裂な衝撃波が発生し、辺りを吹き飛ばした。
なる程。
確かに森を離れなければ、一瞬でメチャクチャになる力だ。
しかし、それを予め予測して回り込んで避けるサキは、真後ろからそっと囁いた。
「その衝撃波を口から出す癖……直っていないねえ」
バギ!!
氷で作った棒で、礼子をためらわず殴り飛ばす。
その傷は致命傷ではないが、頭を強く抑えながら痛がっていた



