「そうかい……覚悟は出来てるんだね」
カチリ……
その音は擬音である為聞こえなかったが、この場での『何か』が変わったスイッチ音がした。
霊気も更に冷たいものとなり、息を詰まらせるもの。
「ヒッ!」
オッサンはサキの目を見ると、息をのんだ。
その目は、まるで無機質で死んだ魚のような眼差しになり、決して仲間に向けるような代物ではなかった。
本気……
そう思うと、ゾクリとする。
知っている人物だけあって、それが更に恐怖心を増した。
当の礼子もふざけてはいるが、それを読み取ったのか何も言わなくなる。
緊張した場面が続いた



