人間の目的は財宝。
黒ガラスの目的は力。
人間は金銭欲があるから分かるにしても、問題は黒ガラスの方。
こんな大事になるくらいまでの事をし、力を付けてどうするのだろうか?
嫌な予感がする。
霊界大大戦もそうだったが、霊の世界を支配しても仕方がない。
人間と違うのだから、特に楽できるワケでも、何が出来るワケでもない。
だから、この世界は秩序がなく、皆自由に過ごしている。
これは……裏がありそうだ。
それを掴む為に、オッサンは更に証拠となるものを探し始めた。
すると、部屋にある古文書を全て抱えた四獣霊達は、後は探しもせず立ち上がった。
「……じゃあ、ウチらは里子ちゃんとこ戻るね。後は任せたよ」
オッサンが顔を見上げ、その行動にビックリとする。
「え!? 帰ってしまわれるのですか? 一緒にヤツらと戦ってくれるのでは……?」
そう言うと、亀咲が厳しく答える。
「甘えてんじゃないよ。ウチらの任務はあくまで古文書奪還。それが済みゃあ戻るさ」
「俺らに頼っては何も変わらぬ。古き老兵はただ去るのみ、次の時代のお前達がどうにかしなければならない」
と獅死雄も同じ意見であった



