電気を点け、中を見ると意外と普通。
特に罠や、結界が貼ってあるワケではない。
まあ通常ならば、外に貼ってあった札一枚で十分だが、こうなるとは予想していなかったようだ。
部屋の中で何かの手掛かりを探す。
が……
内二名は不真面目だ。
「あ~もしもし~? 寿司特上10人前ね! ツケはこの家で!」
「ニャんだこの四角い箱は……中に入ると丸まってしまう。これはヤツの罠か……?」
礼子は人んちの電話で勝手に出前を取り、眠り猫は初めて見るコタツに丸くなる。
オイオイオイオイオイオイ。
真面目に探そーよ。
オッサンが注意しようとしたその時、亀咲が声を上げた。
「あったよこっちの部屋に。盗まれた古文書だ」
見てみると、そこには乱雑にバラまかれた冊子が、幾つか床に落ちていた。
何か……手分けして解読した様子が窺える。
「古文書も黒魔術も全部ある……どうやら既に解読された後のようだね」
これらを使い、多分家康公の魂から埋蔵金情報を取り出すのだろう。
しかし、記憶を取り出すだけなら簡単そうだが、ここまで怪しい本を集める必要があるのだろうか?