話はまとまり、手掛かりの人間までの住所に行くとした。










人間の名前は……
『宇賀神双』(21歳)

免許証には、そのように書いてある。










「ほえぇ~これ何て書いてあんの? うががみ? めんずらし~名字だね」










礼子は読めずにそう言うと、オッサンは代わりに答えた。










「『うがじんそう』だよ。まあ名前は珍しいけどね。名字のうがじんは、この栃木県でポピュラーな名前だよ。少しは勉強しなさい」











偉そうに言うオッサンに対し、礼子は更に上から目線で返した。










「あーら、そんな口答えしていいの? 誰かさんは戦いに役に立たず取り逃がして、手掛かりも無し。唯一の免許証は、一体誰のお陰なのかな~?」










クッ……!


手掛かりと分かったや否や、手のひら返したように天狗になりやがって……!










何も言えないオッサンに、高笑いが落とされる。










「オ~~ッホッホ!! 分かりゃいいのよ愚民共! この礼子様にひざまずくのよ!」











その様子を、さっきから隣で見てる火鳥。










「これが……あの里子ちゃんの母……」










似ても似つかん。




いや、絶対血は繋がってないでしょう。











「ほら……火鳥さん……だから言った通りでしょう」










ボソッと耳打ちをするオッサン。










その理由が、身に染みて分かった気がする