霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


オッサンは嫌な予感がしながら、その財布を指差した。









「……礼子君。それどこから?」










「ん? 人間からギッたの♪お宝ハンター礼子の戦利品よ」










え……?


って……



「うおおおおおぉぉぉぉぉい!!!!!! おまっ! 人間から盗んだのかい!? 何ちゅーヒドい事を!」










しかも、ギッたって……



女の使う言葉じゃないだろ。











そう言っても、礼子は全然悪びれた様子はない。










「だってムカつくんだも~ん! ソイツ何か煙玉何個か屋根に投げてて、アタシにも直撃したんだよ? あったまきちゃって、後ろから長財布をケツからギッてやったの」










だからって、それでもヒドい。









いくら直撃したって、たかが煙玉……









ん……?










オッサンは少し止まって、もう一度聞き直した。










「レイコクン……ソレ『どの人間』カラ、ヌスンダッテ……?」










その変なカタコト質問に、ケタケタと笑い返した。










「キャハハ! 耳遠くなったのオッサン? やーねー高齢者加齢臭は。だから、煙玉投げた人間よ」








礼子は財布の札束を取り出し、スリスリ頬にこすりつけながら話を続けた。









「ソイツ盗られた事も気付かず、木登り何て始めちゃうんだもん。最初から頭おかしい人だったのよ。だから、このお金はいいの有意義に使って★」











……何だって?











オッサンへの悪口はいいにして、今話した人間って……