祭は既に終わったのか、一般の人間達の姿は少ない。
すぐさま中に居た霊達が、オッサン達を発見した。
「あ! ご苦労様です」
四獣霊もいるが、一応ここはオッサンが仕切って話を受ける。
「ゴホン。ウム。こちらは取り逃がしてしまったよ。それで、そちらに任せた人間は……?」
すると、申し訳なさそうに霊達は答えた。
「それが……あの人混みの中に一旦入られると……顔もハッキリ見えてなかったですし、霊を探すより困難で」
その落ち込み具合から、見れば分かる。
どうやら逃げられたようだ。
しかし、敵もうまいものだな。
木を隠すなら森に、人を隠すなら人混みに……
一度混じってしまえば、二度と発見出来ないであろう。
これが、ヤツらの逃げる作戦だったと窺える。
しかし、味方の霊達も必死の捜索。
何かを掴んだように、その部分だけは顔を明らかにする。
「安心してください。1つだけ成果があります。ヤツの仲間らしき怪しい霊が、人混みの中にうろついてたので捕まえました! オイ、さっきの連れてこい」
合図をすると、霊達は一斉に奥に行った



