霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


「ところでさ……」








亀咲は、オッサンの後ろの眠り猫をチラリと見て言う。










「このマスコットみたいなのは何? さっきから寝ながら、器用に歩いてるんだけど……」











どうやら過去の長い話に飽きてか、眠りに入ったようだ。











「ああ……これは、かの有名な家康公を護る眠り猫君です。人獣でありながら素晴らしい忠誠心。これも狸寝入りであります」









っていや、鼻ちょうちん出てるんだけど……










実は、本気で眠っている眠り猫であった。










「え! これ着ぐるみじゃなくて本物かい!? キャーかわいい!!」









四獣霊とは言え、唯一の女性。








亀咲はいつものキャラを忘れ、喉をナデナデした。











「ゴロゴロあふん……コラ止めろ、気持ちいいじゃないか。お、話は終わったか?」










そう言っても更に可愛くて、亀咲はエスカレートした。










「キャー! 喋った!! ほら朱雀! 白虎! あんたらも撫でなよ!」










火鳥は動物アレルギー。

獅死雄は一匹狼なので、興味がなさそうに答える。










「フンくだらぬ……」












すると、眠り猫はふと気付いた。











「ん? 白虎? お~~。ニャんだ獅死雄じゃないか」










は……?




何で獅死雄だけを?