とにかく、彼らの経過は分かった。
しかし、この東照宮の件。
里子の耳にも入ったのか?
「里子君はよく知っていましたな。我々も着いたら現地で警備霊がいないのを知って、戻る時間もなかったのですが……」
すると、火鳥は急に険しい顔付きになった。
「いや、里子ちゃんもそこまで知らなかったよ。ウチらが来た理由は、あの三鬼神を追って来ただけ。それでたまたま東照宮に辿り着いたんだ」
「あの連中を? それまたどうして」
火鳥は拳を握り、怒りを露わにした。
「さっき東照宮にいる霊にも聞いたが、どうやら話を合わせると徳川家康襲撃と同時に、里子ちゃんも三鬼神に襲撃されたんだ」
!!
何だって!?
里子君が!!
「そ、そ、それで! だっ! 大丈夫なのかね里子君は!?」
「幸い怪我はないよ。何てったってヤツらの狙いは里子ちゃんじゃない。光の女王として集めた、古文書や黒魔術の本だよ」
古文書……?
黒魔術……?
里子がそんなものまで集めていたとは、オッサンは全く知らなかった。
火鳥は続けて話す。
「光の女王の役目は霊界の平和……つまり、危険因子のあるものは全部回収してるんだ。当然の役目ちゃ役目だね」



