「そうであったか……」
聞いてるオッサンも、悲しい気分になる。
他人事でもない話であるし、知っている人物だけに辛い。
火鳥はそんなみんなを和ませるように、明るく言った。
「だけど、ウチらにはやる事があるんだ。竜騎の残した末裔だよ」
末裔?
そうか、四獣霊だけは浄化しても、力だけは別の誰かに引き継ぐんだ。
すると、亀咲はクスリと笑った。
「受け継いだこれが、また生意気なガキでねぇ……10もいかない子供さ。それをウチらで護るのが、2つに課せられた内の1つなのよ」
2つ?
もう1つは……
オッサンが聞こうとすると、無口の獅死雄が珍しく口を挟んだ。
「あと1つは光の女王との約束よ。この霊界にまた悪が栄えぬよう、特殊部隊として裏の仕事をするのが我らの役目……」
性格は一番残忍とは言え、強き者との正々堂々を意識する獅死雄。
女に助けられプライドが折れようとも、恩だけはしっかり返すと言う何とも男らしい考えだ。
「まあ……チビ竜騎のお守りで、いっぱいいっぱいだからね。特殊部隊って言っても殆ど活動ないし、寧ろあのテロから今回が初の仕事なんだよ。ちなみにこの2人が生きてるのは、里子ちゃんしか知らないよ、これ内緒ね」
火鳥はシーと、一本指を口に当てた。
もちろん言うつもりなんて、あるわけがない



