走ること数分……
ダメージを受けているせいか、先程の道のりより長く感じる。
ようやく森を抜け、草原までやって来た頃には体力(霊力)を使い果たしていた。
「ハアハア……ここまで来れば大丈夫ニャろ」
森を見ても、追って来る気配はない。
東照宮まで戻ろうと再び進むと、オッサンは声を上げた。
「あ……あ……」
クスクスクス……
それは、目の前で赤鬼と含み笑いをした黄鬼が堂々と待ち構えて居たからだ。
いつの間に!?
疲れているとは言え、眠り猫のあのスピードを上回ったと言うのか!?
すると、黄鬼が拍手をし始めた。
「キャハハ~ご苦労さん。アタシの能力で先回りさせてもらったわ。どう? リーダー? 私偉い?」
赤鬼は無表情のまま答える。
「ああ、よくやった……」
そんな……
何て事だ……
もはや、万事休すか?



