「ハアハア……ニャんだ? 体が思うように動かんぞ」
「……」
青鬼は黙りながら、眠り猫を見下ろしている。
それを後ろで、黄色の鬼の仮面をした黄鬼が笑っている。
「キャハハ!! 世間を知らない化け猫ね!! 戦う相性が悪いのが、まだ分からないのかしら」
ダメだ。
コイツらは、確かな実力を持っている霊。
たった2人じゃ、勝機を見いだせないだろう。
ここは、一旦引くしかない!
オッサンは眠り猫の元まで走り、その腕を肩に乗せた。
「走るんだ! 眠り猫君! 東照宮まで行くぞ」
「おっとそうはさせない。2人まとめて死にたいのか? ちょうどいい……」
赤鬼が手に力を溜め、オッサン達に狙いを定めた。
眠り猫は動けない。
もうダメだ!
と歯を食いしばるが、何も攻撃が来ない。
恐る恐る目を開けると……
……ス
赤鬼の前に、青鬼が手だけ出して止めに入っている。
何だ??
トドメを刺さないのか?



