霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


「ハアハア……ニャんだ? 体が思うように動かんぞ」










「……」











青鬼は黙りながら、眠り猫を見下ろしている。










それを後ろで、黄色の鬼の仮面をした黄鬼が笑っている。











「キャハハ!! 世間を知らない化け猫ね!! 戦う相性が悪いのが、まだ分からないのかしら」










ダメだ。

コイツらは、確かな実力を持っている霊。








たった2人じゃ、勝機を見いだせないだろう。









ここは、一旦引くしかない!










オッサンは眠り猫の元まで走り、その腕を肩に乗せた。









「走るんだ! 眠り猫君! 東照宮まで行くぞ」











「おっとそうはさせない。2人まとめて死にたいのか? ちょうどいい……」










赤鬼が手に力を溜め、オッサン達に狙いを定めた。









眠り猫は動けない。








もうダメだ!
と歯を食いしばるが、何も攻撃が来ない。









恐る恐る目を開けると……









……ス










赤鬼の前に、青鬼が手だけ出して止めに入っている。










何だ??

トドメを刺さないのか?