霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


「フッうまくいった。この傷の礼は、またいつかな眠り猫よ。サラバだ」










再び黒ガラスは走り去り、姿を消してしまった……











それを、ただ見てるしか出来ない2人。










体が虎砲で動かないのだ。










「クソぅ!! 逃げられたか!」











数秒後、ようやく痺れが取れ始めた時は、完全に黒ガラスの気配も失っている。










やられたか。










オッサンはガックシ膝を付くと、眠り猫はまだ諦めていない様子を見せた。










「体が軽い……ようやく我が輩のスピードが完全に戻ったか……オイ、メガネ。アイツを追いかけるぞ。この血の後を辿ろう」









残された手掛かりである、黒ガラスの霊血。




この方向に、行ってみようとの事だ。











「それでも、もう間に合わないんじゃ……」











その諦めモードを振り払うように、眠り猫はオッサンの手を掴んだ。










「まあ見てニャって、全開絶頂の我が輩の速さを……」












シュン!!









その言葉の瞬間。突然、目の前の風景が消えた。



いや、そう見えたと言った方が正しい。










眠り猫は走ったままオッサンを引っ張り、目にも止まらぬ物凄いスピードを体験させた