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副長に話を振られ、少し思うことがある。


俺の…、俺の考えは…。



「俺は…、神崎が言っていた時空移動という事を安易に信じる事は出来ません」


「一君…!」



俺が一旦言葉を区切れば、すかさず総司が反対の声を挙げる。


総司の神崎を守りたい気持ちは伝わってくるが、独占欲が強過ぎる。


今は少し、周りを見失っているな。



「…ですが、あの物質的証拠は信じてもいいんじゃないでしょうか?」



これが、俺の考えだ。


あの時の神崎の目は、嘘をついてるようには見えなかった。


寧ろ、半ば諦めたような吹っ切れた目をしていた。