「…神崎」 「……」 土方さんに名を呼ばれ、伏せていた顔を上げる。 「お前に、もう一度聞く。…長州の間者なのか?」 「…違います」 「ならば、何処の生まれの者だ?正直に話せ」 …話しても、いいのだろうか。 きっと、信じてくれないと思う。 だけど、どうせ間者の疑惑がかかり、殺されるのであれば…。 微かな望みに、託してもいいのだろうか? 手の中にスッポリと収まっている携帯を見る。 まるで、この雰囲気に場違いな空気を醸し出しているけど、逆にそれが落ち着きを与えてくれる。