Give Me Smile―新撰組と氷姫―






斎藤さんはいつもと変わらず無表情だけど、目の奥には困惑に満ちているし。


土方さんは予想外だったのか、険しい表情がもっと厳しくなっている。


…三人の視線が、沈黙がすごく痛い。



「……それは、一体何だ。どこで手に入れた?」


「………」


「話せ」



何処から?何処から話せばいいの?


あたしだって、分からないことだらけなのに。


タイムトラベル?

時空移動?


そんなの…。



「…馬鹿にするだけ、じゃない」


「…千春さん?」



あたしは無意識のうちに、ポツリと呟いていたみたい。


だけど、それは小さな声ではなく、至って普通の声の大きさだったため、三人にバッチリ聞こえていたみたいだった。



「おい、どういうことだ?」


「………」



着物の裾をキュッと掴む。


あたしが…。

あたしが一番ワケわからないのに、説明なんて出来るワケないじゃない。



「また、だんまりか」



ふう、と土方さんがため息を吐く。