「千春ちゃーん!」 後ろから名前を呼ぶ声がしたけど、無視して屯所の門を潜る。 …初めて此処へ来たときは威圧感があったのに、今では何とも思わない。 ──ああ、此処が新撰組か。 みたいな感じだ。 門を見上げていると、少しゴウッと強い風が吹いて、束ねている髪か乱れる。 なんだか、嫌な感じがする。 そう感じつつ、あたしは京の町へ出かけたのだった。