どうして駆け寄って来るのかな。 彼等も、やっぱり何か知っていたりするのだろうか? もしそうであれば、話し掛けてくるのは何故? 「俺、荷物持ちしようか?」 「……いえ、結構です」 「ははっ!平助、振られたな」 「ちょ、左之さん!!」 「……失礼します」 よく分からないし、話をする気もないあたしは、ペコリと軽く会釈する。 本当のところは分からないけど、取り敢えずここは退散しよう。 そう思い、会釈をきちんとしてから玄関を開けた。