カチャリ、という音とともに、剣が収められる。 …たまに、せっかちなんですよね。一君って。 「僕だって、千春さんが間者の可能性が零では無いとは言い切れませんよ」 「…ならば、」 「ですが、千春さんが間者じゃない可能性も零では無いと思うんです」 歩きながら、千春さんが持っていた奇妙な代物を思い出す。 「だから、皆さんには必要最低限のことしか話しませんでした」 あれは…一体何なんでしょうか?