荷物なんて、自分で持ったこと無かったから…。
それに、今は新撰組で家政婦みたいなことしているし…。
全てが、新鮮で飽きない。
「……よいしょ、っと…」
あたしは川辺に荷物を置いて、一息吐く。
実は、出掛けたかったのも、一人になるのが目的だったりする。
あたしは周囲に人が少ないのを確認してから、着物の懐に手を入れた。
そして、出した物は─。
ピピッ♪
音が鳴り、開けば自らが光を放つ──携帯電話、だ。
(…なんか、懐かしい…)
それもそのはず。
今まで仕事が慣れなくて、携帯をずっと放置していたんだから。

