Give Me Smile―新撰組と氷姫―






「いえ、僕も暇なんで」


「……あたしの仕事、ですから」



どうして、新撰組にいる人達は、こうもあたしの仕事を取っていくのだろう。


面倒くさいだけだから、放っておけばいいのに。



「でも、千春さん。平助には手伝って貰ったじゃないですかー」


「………あれは…」



藤堂さんが勝手に、と言おうとしたところで。


ガラッ!



「総司ー千春ちゃん!皆待ってるよー!?…って、どうしたの?」



今話の中心にいた本人が、また戻ってきた。



「いえ、なんでもないですよ。ほら、千春さん!早く行きましょう!」


「そうそう。俺も朝稽古で腹ペコだよ〜」


「!……あっ…」



言うが早いか、二人はさりげなく残りのお膳も持ってくれている。


止めようとすれば、二人とも早足で逃げていく。



「………なんなの…?」



あたしは腕に少ないお膳を抱えながら、首を傾げたのだった。