沖田さんは、まだ目を見開いてあたしの着物を凝視している。
まるで、とても珍しい生物を見るような…そんな目。
いい加減、居心地が悪くなってきた。
「千春さん、もしかして…着方がわからないんですか…?」
「………はい…すみません…」
「そうですか…。着方、教えましょうか?」
「…え、いや……」
沖田さんが近づいてくる。
一瞬身構えたあたしの身体に、沖田さんは気付いたのか気付いていないのかはわからなかったけど、あたしの着物の裾を摘んだ。
「うーん…惜しいとこまではいってるんですけど」
そう言って、丁寧に直して説明してくれる。
そのおかげで、なんとなく着方がわかったような気がする。
「──で、終わりです」
「……ありがとうございます」

