重たい荷物を両手一杯に抱えていた沖田さんは、部屋に着くなり荷物を置いて床に座った。
「…女性の着物って、意外と重たいんですね」
「……すいません、重たい物、全部持ってもらって…」
「いいんですよ。僕が好きでしたことなんですから」
そう言って、ニコニコと笑っている沖田さん。
どうして、楽しくもないのにニコニコと笑えるんだろう。
あたしには、不思議でしょうがない。
「それじゃ、僕は一旦部屋を出ますから、着物に着替えて下さいね」
「あ…はい」
「終わったら呼んで下さい」と言って、沖田さんは部屋を出た。

