自分の部屋の前に到着する。
行儀が悪いが、この場合しょうがないので、足で開けることにした。
千春さんをゆっくりと、畳の上におろす。
なんて綺麗な、髪なんでしょう…。
千春さんの髪は黒くて長く、とても艶やかで、つい、触れたくなる。
「……私、一体なに考えているんでしょう……?」
まあ、いいや。
あまり気に止めず、押し入れを開けて、布団を敷く。
もう一度千春さんを抱えて、布団の上にゆっくりとおろした。
「…やっぱり、珍しい着物ですね…」
千春さんが着ている、真っ白な着物。
いや、やっぱり着物じゃないような気がする。
「貴女は一体、どこの国の姫なんでしょうね?」
やっぱり、他国の者でしょうか?

