みたらし団子を数回咀嚼(そしゃく)し、ゆっくりと飲み込んでいく。
ふと、気付くことがある。
この、ゆったりと時が流れていくような感覚。
(僕、最近一君と2人でいることが多いような…)
「一君、近頃何かと僕を気にかけてくれているような気がするんですけど」
「……そうか?」
「はい。もしかして…土方さんに何か言われました?」
屯所から出て、千春さんを勝手に探しに行かないように見張っておけ、とか。
言ってそうですよね、土方さん。
何かと世話焼きな人なのに、不器用だから面白いんですよ。
「……いや、言われていない。俺の独断だ」
「そうですか。あと、もう一つ聞きたい事があるんですけど…」
「……何だ?」
一本のみたらし団子を食べ終えて、残り五本。
もう一本手に取ると、また口を開く。
「一君、甘味は好きじゃないんですか?さっきから、お茶ばかり飲んでますよね?」
言い終えてから、団子を口に含むと甘くて美味しい団子の味が口の中に広がる。
食べながら一君に視線を移すと、湯飲みを持ったまま何か思案しているみたいだ。
(…あれ、好きか嫌いか聞いただけなんですけど)
そんなに考え込む事かな、と思っていると一君が静かに口を開いた。
「……確かに、あまり甘味は好んで食べないな」
「もったいないですよ!…でも、どうしてこれを?」
「……先程、雪に貰った。疲れた時は、甘味が一番だと言っていてな。…苦手だから、と断われなかった。それに、あんたは甘味が好物だし、今頃疲労が溜まっていると思っていたから」
すまん、いらん気を遣わせたな…と淡々と一君が話す。
表情は変化がありませんが、だんだんと暗くなっていくのが、声の調子でわかる。

