「………総司。総司?」
「あ、一君。何ですか?」
なんだ、一君か。
一体僕に何の用事なんでしょう。
中庭で稽古していた木刀を下ろし、一息吐くために一君のいる縁側までスタスタと歩く。
今は、何でもいいから体を動かしたい気分なんですが。
千春さんは見つからないし、土方さんも桝屋が怪しいのであれば、強行突破すればいいのに。
「……稽古もいいが、少しは体を休めた方がいい」
「そうでしょうか。僕は今の所役に立たないので、少しでも強くなりたいんです」
「………そうか。…まあ、これでも食べないか?」
お盆の上に湯のみが二つ。
差し出されたのは…みたらし団子。
「有り難く頂きます」
思わず即答すると、一君は無表情から少し笑みがこぼれていた。
そんなに笑わなくたっていいじゃないですか。
僕、ずっと木刀を振ってお腹空いていたみたいですし。
(…まあ、一君にこんな事言いませんが)
一君が縁側に座ったので、僕もその隣に座って木刀を適当に置く。
湯のみを渡されて気付いたのが、持っても全然熱くない。
「……稽古をしていて暑いだろうと思っていたからな。湯はぬるくしておいた」
僕が不思議な顔をしていたのか、一君が答えてくれた。
そんなに顔に出ていたんでしょうか。
剣士なのに…気をつけないといけませんね。
「一君、気遣い最高ですね。ありがとうございます」
「……別に礼を言われる程の事ではない。…それより、食べたらどうだ?」
「はい。頂きます!」
みたらし団子を一つ貰い、口を大きく開けて頬張る。
そういえば、千春さんは甘味食べませんよね。
どうして何でしょうか?こんなにも美味しいのに…。

