「………はぁ…」
なに勝手に人のせいにしているのだろう。
あたしの、自業自得なのに。
体育座りしたまま、腕に顔を埋める。
名無しさんはどうしてるか知らないけれど、用がないのであれば、本気で早く出ていってほしい。
今は、1人になりたいから。
(……でも、その前に…)
「………名無しさん。あたしの携帯、返して下さい」
「ケイタイ…?」
埋めていた顔を上げ、名無しさんに一言告げる。
一瞬キョトンとしていた名無しさんだけど、すぐに思い出したように数回頷いた。
「ああ、あの桃色の箱のこと?いいよ、僕の計画には必要なさそうだし」
すっ、と自分の懐に手を入れ、あたしの携帯を取り出した名無しさん。
最初はあんなにも携帯に執着していたのに、やっと自分達に使い道がないと分かったのか、案外あっさりと返ってきそうな事に一安心している。
「はい、どうぞ」
「……」
無言で受け取り、開いたり閉じたりと壊れているところはないか確認する。
(……良かった、どこも壊れてはいないみたい)
ほっ、と息を吐いていると名無しさんがまた話し出す。
「お嬢さんって、本当に新撰組の奴らが大事なんだね」
「……?」
名無しさんは苦笑い混じりに。
あたしは首を傾ける。
彼等のことは大事だけど、いきなり言い出した理由が分からない…。
「だって、そのケイタイ…たまに浅葱色に光っているじゃない」
「……それは…」
それは、違う。
あたしの携帯が浅葱色…及び水色に光る理由は…。
1件の、未読メールがあるからだ。

