「じゃ、監察方は引き続き神崎の行方及び謎の大小の男二人の情報を集めろ。
幹部達はいつ何が起こってもいいように、あらかじめ心の準備をしておけ。
いいな?絶対に単独行動すんじゃねぇぞ」
何故か、最後土方さんに睨まれながら会談を終えた。
(……ふんだ、最後は絶対に僕の事を言ってますよね)
そんなに釘をさしたって、僕は新撰組の幹部なんですから。
不本意ではありますが、ちゃーんと鬼の副長の指示に従ってあげますよ。
会談が終わり、幹部達や監察方の人達が散らばる。
僕は部屋からは出ようとせずに、その場に残っていると一君も何か察したのか、僕同様その場に座ったままでいる。
(会談中に感じた違和感…。もし僕の予想が当たれば、かなり最悪な結果になっているかもしれませんね……)
でも、当たれば最悪ですが、千春さんが殺害されるかもしれない、という不安は少しは軽減できる。
他の方達が部屋を出ていかれた後、土方さんは僕に声をかけた。
「──で、なんだ総司。話があんだろ?」
「はい。あくまで、僕の予想なんですけど」
「別にいい。話してみろ」
会談中に感じた違和感。
千春さんには、誰もが信じる事の出来ない、摩訶不思議な謎がある。
それは──
『 ……あたしは、約150年後の江戸…つまり、東京出身の純日本人です』
「──千春さんには、僕達にも知らない謎があります。
もし、吉田達が何らかの理由で千春さんの情報を知り、誘拐したとなると…吉田の不可解な行動に合点がいきます」
要するに、吉田達が千春さんの秘密を知ってしまった可能性が高く、何らかの目的で誘拐したのではないか、という僕の考えである。
僕の考えは、あくまで吉田がこの話の首謀者だと仮定して話を進めていますが、多分間違いはないはずです。
それに、雪さんが言うには、千春さんは『名無しさん』という男を嫌っていて、その男は長身で左目の下にほくろがある。
監察方が言っていた目撃情報の男と一致する。
(だから、どう考えても首謀者は吉田以外にはあり得ないはず…)
二人から意見を聞こうと思い、見てみるとまだ思案しているようだった。
土方さんも一君も、何だか難しそうな表情をしており、土方さんに至っては眉間に皺が寄りすぎている。

