「……ん…」
あれ、此処は…?
あたし、何してたんだっけ…?
重い目蓋をパチッと開いたり、閉じたりする。
(……あれ、身体が…動かない!?)
急速に思考が覚醒する。
そうだ、あたし…!
「やっと、起きたね。お嬢さん」
「……名無しさん。これは、一体どういう…」
「え、わからない?逃げないように縛ってあるんだよ」
今一番聞きたくない飄々とした声を聞いて、沸々と苛立ちが募る。
ああ、本当に腹立つ…!
どうしてあたしが縛られなきゃなんないの。
後ろに回っている手首を動かしてみるけれど、縄はキツく、解けるどころか更にキツくなっているような気がする。
これでは、起き上がる事も出来ない。
「ああ、手首は動かさない方がいいよ?どんどん絡まっていくから」
「……悪趣味」
「…意味はわからないけど、馬鹿にされてる気がする」
名無しさんの目を逸らさずに睨んでいると、何を思ったのか、腰に差してある刀を抜き…、
「──っ…」
「あんまり、僕を怒らせないでね?」
あたしの、首筋ギリギリまで近付ける。
冷たい刀の感触に、ヒュッと息を飲んだ。

