前の外出禁止の時だって、千春ちゃんはめっちゃ我慢してた。
いっつも、悲しそうな顔で空ばっか見上げて、溜め息吐いて…。
千春ちゃんは無意識やろうけど、なんかを堪えているような仕草をしてた。
口をきつく閉ざして、目を下に伏せて。
おまけに、笑った顔なんて一回も見た事あらへん。
「待て、いつ俺が…」
むむ、なんか土方さんが狼狽えてる。
これは、図星やねんな…!?
「今度は、納得なんてしませんっ!ちゃんと説明して下さい!!」
土方さんは焦ってはんのか、面倒くさそうに手で髪を掻き毟る。
絶対、次こそは土方さんを説得してみせる…!
千春ちゃんの悲しい顔は、もう見たないから。
「おい、落ち着け!誰もあいつに外出禁止命令なんか出さねぇよ!」
「……へ?」
もしかして……、うちの勘違いって事?
(〜〜っ嘘ーッ!?)
自分の勘違いに気付き、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい…!
慌てて両手で顔を隠す。
もちろん、顔は下に伏せて。
だから、その時の土方さんの表情はわからんかったけど、
「お前、本当に阿呆だな」
「ーっごめんなさい…!」
心なしか、笑ってたような気がしたんやけど…。
多分、気のせいかもしれへんね。
「──で、神崎は買い出しに行ったんだな?」
「……はい」
恥ずかし過ぎて、顔上げられへん。
失礼だって事は分かってるけど、土方さん、堪忍ね。
土方さんからの質問が続く。
「神崎が何処の店に行ったか、分かるか?」
「うーん…」
千春ちゃんが、行きそうなお店、なぁ…。
(…てか、土方さんから変な質問が続くな…。千春ちゃん、もうすぐ帰って来るんとちゃうん?)
変な、土方さん。

