でも、殺されてもいい。
しんどいし、疲れたし。
だけど、あたしを見る沖田さんと土方さんの視線が鋭いので、面倒だけど話すことにした。
「……あたしは、江戸出身です」
「本当か?ならその着物は何だ?まるで外人みたいだけどな」
「………」
当たり前でしょ。
この時代の人間じゃないんだから。
黙っているあたしを疑っている土方さんは、まだこちらを睨みつけている。
そんなに顔に皺を作って、嫌じゃないのだろうか。
「総司、近藤さんを呼んでこい」
「わかりました」
近藤さん…。
新撰組の局長と呼ばれる人、だろう。
沖田さんが、スタスタと部屋を出ていく。
近藤勇を呼びに行ったのだろうけど、そのせいであたしは、土方さんと2人きりになってしまった。
そんなの、気まずすぎる。

