今日も日が暮れた。
今日はあの子に会えなかったんだっけ。
『はっきり言って、あたしは貴方が嫌いです』
「神崎千春、ねぇ…」
「そ。お嬢さん全然懐いてくれないんだよ」
杯を傾け、酒を口に含んだ。
最早癖となりつつある、含み笑いをしながら。
…だけど、男3人で酒を呑むってのは…少々華が足りないね。
「…稔麿。相手は犬猫じゃないのだぞ」
「そうだ。相手が女なら、口説いて落とせばいいじゃねぇか」
「貴方達に相談なんてするんじゃなかったよ」
ふぅ、とため息を吐く。
ほんと、桂さんと晋作は相変わらずだなぁ。
ま、大した相談じゃないし、僕は僕のやり方であのお嬢さんを手懐けるだけ。
早い話、ちょっとした愚痴っていうのを聞いてもらっていたんだよ。
「だははは!で?その神崎千春ってーのは、どんな女なんだ?」
「新撰組で女中をしているのだろう?」
「うん。どんな女だろうね…。しいて言うなら…」
真面目な桂さんと奇抜な晋作。
二人のおかげで、僕の計画は着々と進んでいる。
「……氷姫、かなぁ」
「…稔麿、ちゃんと考えてくれ」
「あっはは!なるほどな、面白れぇ!」
晋作は笑い、桂さんは不満そう。
本当、この二人は見ていて飽きないなぁ。
「ま、期待しててよ。失敗なんてしないさ」
僕は、僕のやり方でこの時代を変えてみせる。
杯を勢いよく傾けて、酒を一気に呑んだのだった。

