目を見開いたまま固まる斎藤さんと、目を瞑って口を手で覆っているあたし。
傷、見られちゃった…。
お祖母様以外、見られたことなんて無かったのに…!
斎藤さんは焦った様子で、自分の着ている羽織りをあたしの肩に掛けた。
「…ひゅっ!はっぁ…!」
斎藤さんに優しく抱き抱えられ、瞑っていた目を開けた。
傷、隠してくれたんだ…。
傷を隠してくれた事に安堵しても、呼吸は中々元通りに戻らない。
「…息ができないのか?取り敢えず、医者を呼ばなくては…」
医者…?
そんなの、やだ…!
口を覆っていた手で、斎藤さんの着物をギュッと掴む。
「…ぃ、……」
「…神崎?」
「…ぃ、者、呼ばな…で!」
着物を掴んだまま、首を横に振り拒絶の意志を現した。
まるで子供(ガキ)みたいだけど、そんな事気にしてられない。
「…しかし、万が一の事があれば…」
「っ、はっ!ぉ、ねが…」
だんだん落ち着いてきたあたしは、斎藤さんをしっかりと見上げる。
ふー、ふーと大袈裟に息をできるようになり、斎藤さんから手を離した。
少し皺になったけど、取り敢えず黙っておこう。
「……落ち着いたか?」
「…は、い…っ」
未だ斎藤さんの腕の中で、あたしはコクリと頷いた。

