しょうがない。
物凄く不本意だけど…。
「…待って下さい」
「千春さん?」
「……あたしが撮ります。だから、関係無い人を巻き込まないで下さい」
沖田さんの手から携帯を奪い、なんとなくフォルダを見てみると…この部屋の写真が何十枚も保存されていた。
(…こんなに、この部屋の写真いらないし…)
「でも、2人で撮れますか?難しいのでは…?」
「……大丈夫です」
まだ土方さんを起こしに行きそうな雰囲気の沖田さんを引っ張り、部屋の真ん中まで戻す。
あたしは携帯を片手に、沖田さんの隣に座りこんだ。
いつもより近い距離に、手に変な力が入る。
(…大丈夫、大丈夫…)
「千春さん?大丈夫──」
──パシャッ
「……え?」
さっさと写真を撮ったあたしは、携帯を閉じて懐にしまう。
(まだ、時間は十分あるわね。さ、仕事仕事)
障子へスタスタ向かっていくあたしを、沖田さんが急いで止める。
「ち、千春さん!不意打ちで撮るなんて…!」
「……。あたし、これから仕事なので。失礼します」
沖田さんを振り切り、障子を閉めて廊下を歩く。
変、なの。
なんだか、胸がぽかぽかする。
おかしい。
最近、あたし…おかしい。
(…こんなの、神崎千春じゃない)
ブンブンッと頭を振り、あたしは台所へ急いだのだった。

