Give Me Smile―新撰組と氷姫―






くそ、段々面倒になってきた。

だが、未来から来たっつーのは多分大丈夫だろ。



「あの場には…総司、斎藤、俺、山崎しかいなかったんだ。

あとは、神崎がヘマしねぇ限り問題ないだろ」


「…それもそうですね。俺からの話は以上です。

夜分遅くに申し訳ありませんでした」


そう言って、山崎は座ったまま頭を下げる。


「いや、いい。それから、山崎は今行っている偵察と…。

神崎が1人で外に行く時だけ、あいつの護衛を頼む」


「承知しました」



山崎は頷くと、一声かけてから音もなく去っていった。


土方はと言うと、今の話で完全に目が冴えてしまい、また机の上にある筆をとって仕事をやり始めた。


(…大分あっちも動き出してんな…)


これから必ず何かしら動きがある筈だ。

その時に、おのずと尻尾を掴める。


それまで…。


「……我慢勝負、か?」



…らしくねぇな。

来るならさっさと来いっつーの。



それから、また夜が明ける頃まで、副長室の灯りは消える事はなかった。