唐突に、沖田さんは口を開いた。



「千春さん、貴女は何処から来たんですか?」


「………」




何処、って聞かれても困る。


未来から来ましたーなんて、絶対に言えないし、信じてくれないだろう。


寧ろ、余計に怪しまれるだけだ。



「……やっぱり、話してはくれませんか」


「…すいません」



あたしが口を割らないから、沖田さんは重いため息を吐いた。


疑うのも無理ないだろう。


今から約150年前──幕末に、こんなドレス姿で倒れていたら、あたしだって怪しむ。


だからこそ、余計にわからない。



「………あの、沖田さん。…1つ聞いてもいいですか?」


「はい?何ですか?」


「どうして、こんなに親切にして下さるんですか?」